日本人は、座っている時間が長い

20か国を比べた調査で、日本人の平日に座っている時間は、長いほうの国に入っていました2。国の調査でも、平日に8時間以上座っていると答えた人は少なくありません1。

ここでいう「座る時間」には、デスクワークだけでなく、座ったり寝ころんだりしてテレビやスマホを見る時間も入ります1。

目安は「例えば30分ごとに」立つ

国のガイドは、座りっぱなしを例えば30分ごとに区切ることを、目安として挙げています。在宅勤務の日も同じです1。

区切ると、その日の食後の血糖やインスリンの上がり方が小さくなることが、多くの試験で確かめられています3。立つだけより、少し歩くほうがはっきりしています4。2分ほどの軽い歩きでも、数値は変わりました5。

一方で、確かめられているのは、その日の数値までです。区切ることで病気が減るかどうかは、まだ研究の途中です。国のガイドも、WHOも、そう書いています16。それでも、手間がほとんどかからず、損をすることもないので、このサイトでは勧めます。

区切る効果で、わかっていること確かめられているのは、その日の食後の数値まで

研究わかったこと
45〜65歳の19人20分ごとに2分歩くと、食後の血糖とインスリンが下がった
中⁠高⁠年の11人30分ごとに5分歩くと、血糖が下がった
7つの試験立つだけより、軽く歩くほうが血糖が下がった
37の試験短い動きで区切ると、血糖・インスリン・中性脂肪が下がった
まだわからないこと区切ることで、病気や寿命が変わるか(証拠はまだ足りない)

だから国の目安も「例えば30分ごと」です。

出典:Dunstan DW, et al. Diabetes Care 2012/Duran AT, et al. Med Sci Sports Exerc 2023/Buffey AJ, et al. Sports Med 2022/Loh R, et al. Sports Med 2020/厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」/WHO 2020

平日の中に、区切る場所はたくさんある

平日の中の、区切る場所例えば30分ごとに、座りっぱなしを区切る

時間帯場面区切り方
朝通勤駅は階段・ひと駅歩く
午前デスクワーク立って資料を取りに行く
会議1時間の会議会議の合間に立つ・歩いて移動
昼昼休み少し歩いて食べに行く
午後在宅勤務オンライン会議のたびに立つ
夜テレビ・スマホCMや1話ごとに立つ

筋トレは、これとは別に週2〜3日。

出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」・アクティブガイド2023 成人版の例から
  • 会議:会議と会議の間に立つ。資料を取りに行く、書く役を引き受ける。
  • デスクワーク:コピーやお茶は自分で取りに行く。電話は立って受ける。
  • 在宅勤務:オンライン会議が終わるたびに、部屋を一回りする。
  • 通勤:駅では階段を使う。ひと駅分歩く日をつくる。
  • 夜のテレビ:CMや1話ごとに立⁠ち⁠上⁠がる。テレビを見ながら、かかと上げをする。

国のガイドは、「短い時間の積み重ねでも、健康によい効果は得られる」と書いています1。まとまった時間がとれない日も、あきらめなくて大丈夫です。

「事務職だから体に悪い」わけではない

日本の働く人を追いかけた研究では、事務職を含む会社員で、仕事中に座る時間と死亡との結びつきは見られませんでした7。海外の研究でも、座る・立つを交互にしている人では、目立った違いがありませんでした8。

大切なのは職種よりも、座りっぱなしを区切れるかどうかと、別に、しっかり動く時間があるかどうかです。

しっかり動く時間を、別に持つ

ふだんよく体を動かしている人は、座る時間が長くても、その影響がほとんど見られませんでした910。座る時間が長い仕事の人ほど、仕事の外で動く時間が大切になります。

50代の働く世代には、国の「成人」の目安が当てはまります1。

50代は「成人」の目安で座りすぎへの注意は、年齢を問わず同じ

成人(50代の働く人)高齢者
体を動かす歩く程度以上を1日60分
(約8,000歩)
歩く程度以上を1日40分
(約6,000歩)
運動息がはずみ汗をかく運動を
週60分
筋力・バランス・柔軟性などの
運動を週3日
筋トレ週2〜3日週2〜3日
座りすぎ長くなりすぎないように
(例えば30分ごとに区切る)
同じ

国のガイドは、年齢で区切らず、体の状況に合わせて取り組むよう勧めています。

出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
  • 歩く程度の活動を、1日60分(約8,000歩)
  • 息がはずみ、汗をかく運動を、週60分
  • 筋トレを、週2〜3日

いまの生活から、まず1日1⁠0⁠分⁠多⁠く動くことから始めましょう1。

ただし、夜の長いテレビは、よく動く人でも影響が残っていました911。見る時間を減らすか、見ながら立つ時間をつくりましょう。

区切ることは、筋トレの代わりではない

こまめに立つことと、筋トレは別のものです。区切るのは、筋トレと歩く時間の上に足すものです。

家でできる筋トレは、50歳からの筋トレ、週2回からと鍛えるのページにあります。

1〜2分の強めの動き(階段をのぼる、早歩き)を1日に何回か入れている人は、長生きの傾向があるという研究もあります12。膝が痛い人は、階段より平らな道の早歩きにしましょう。

座ったあとの腰のこわばり

仕事で座る時間が長いと腰痛になる、という結びつきは、研究では確かめられていません13。ただ、長く同じ姿勢でいたあとに、腰がこわばって伸びにくい人は多く、こまめに立つと楽になることがよくあります。

痛みがあるときの動き方は、膝や腰が痛いときの、動き方にまとめています。

こんなときは受診を

  • 座ると楽で、立って歩くと脚がしびれたり痛んだりする(脊柱管狭窄症と運動へ)
  • 座っていると脚に痛みやしびれが走る、足に力が入りにくい
  • 尿や便が出にくい、もれる