休養には「休む」と「養う」がある

国は、休養を2つの面からとらえています。疲れを取る「休む」と、明日への力を「養う」です。ただ寝転んでいるだけでは「真の休養」にならない、とも書いています1。

大切なのは、頭が仕事から離れているか

仕事のあとに、こころを回復させる体験は、4つに分けられます2。

こころを回復させる4つの体験休む時間の長さより、中身

体験ひとことで50代の例
頭を離す仕事を考えない連絡を見ない時間を決める
くつろぐ体と気持ちをゆるめるぬるめの風呂・散歩・音楽
挑む別のことに打ち込む楽器・料理・山歩き
自分で決める時間の使い方を選ぶ休日の予定を自分で組む

疲れが強いときは、まず「くつろぐ」から。

出典:Sonnentag S, Fritz C 2007/Bennett AA ほか 2018(例はこのサイトの案)
  • 頭を離す:仕事のことを考えない時間をもつ。
  • くつろぐ:体と気持ちをゆるめる。
  • 挑む:仕事とは別の、少し難しいことに取り組む。
  • 自分で決める:休みの時間の使い方を、自分で決める。

なかでも、頭が仕事から離れている人ほど、疲れが少なく、よく眠れ、生活の満足度が高い傾向がありました34。休みの日数が同じでも、頭が離れているかどうかで、休まり方が変わります。

疲れが強いときは、まず「くつろぐ」から始めましょう。「挑む」は、少し元気が戻ってからで十分です。

休日のメールが、頭を仕事に引き戻す

仕事の時間の外に、仕事のメールや連絡を見ている人ほど、頭が仕事から離れにくい傾向があります35。仕事が忙しいときほど、頭は離れにくくなります36。

  • 仕事の連絡を見ない時間を決める。
  • スマホの仕事用の通知を、夜と休日は切っておく。

といった方⁠法を、試してみてもよいでしょう。

ぐるぐる考え続けると、体も休まらない

同じことを何度も考え続けたり、心配し続けたりすると、体は「ストレスの最中」の状態に長くとどまります。血圧や心拍が上がりやすくなることがわかっています78。寝る前の考え事は、寝つきや眠りの質にも影響します9。

寝る前に、明日やることを紙に書き出して、「今日はここまで」と区切る方⁠法もあります。眠りについては、50歳からの睡眠もご覧ください。

お酒で紛らわすのは、かえって眠りを浅くします。お酒は「杯」でなく「グラム」で数えるもご覧ください。

長い休みより、こまめな回復

長い休暇は、こころによく効きます。けれども、その効果は、仕事に戻ると数週間で薄れることがわかっています10。

だから、年に一度の長い休みだけに頼らず、ふだんの夜、週末、そして仕事中の小休止で、こまめに回復することが大切です。仕事中の10分以内の短い休憩でも、元気が出て、疲れが軽くなるという結果があります11。

緑の多い場所で過ごすと、ストレスの指標が下がる傾向も報告されています。ただし、研究の多くは少人数・短時間の実験です1213。

50代は、こころの休みが取りにくい

50代は、こころを休めにくい条件が重なりやすい年代です。

  • 親の介護:働きながら家族を介護している人は、50代に多くいます14。介護をしている人は、していない人より、気分の落ち込みやストレスが強い傾向があります15。自分が休む時間を、介護とは別に確保しましょう。介護の相談は、地域包括支援センターにできます。
  • 更年期:男女とも、更年期の不調を感じる年代です16。気分の落ち込み、イライラ、眠れないといった症状は、更年期の影響のこともあります。
  • 役割の変化:役職の変化、子どもの独立など、役割が変わる時期でもあります。

人と会うことも、こころの回復を助けます。「おでかけ」が、頭と体を守るもご覧ください。

職場のストレスチェックの結果は、休み方を見直すきっかけになります。会社の産業医や保健師にも相談できます17。

休んでも回復しないときは

休んだのに休まらない。見直す? 相談する?右の列が続くなら、早めに相談を

休み方を見直す相談する
休日もメールが気⁠に⁠な⁠る気分の落ち込みが2週間以上続く
寝る前に仕事を思い出す何をしても楽しめない
飲まないと眠れない食事・眠り・仕事に差し支える
出典:Wendsche J 2017/Clancy F 2020/厚生労働省「こころの耳」/国立精神・神経医療研究センター

休み方を変えても回復しないときは、休み方の問題ではないかもしれません。

  • 気分の落ち込みや、何をしても楽しめない状態が、2週間以上続く1819
  • 眠れない日が続き、休日に休んでも回復しない
  • 食欲がない、疲れやすい、集中できず仕事や家事に差し支える
  • お酒の量が増えた、飲まないと眠れない
  • 周りから「元気がない」「様子が違う」と言われる

こうしたときは、早めに相談してください。うつ病のことがあります。自分で判断せずに、専門家に相談しましょう19。

相談先

一人で抱えない ― 相談先の地図困りごとに合わせて

困りごと相談先
職場のこと・働き方産業医・保健師・上司
体とこころの両方かかりつけ医
気分の落ち込みが続く精神科・心療内科
親の介護地域包括支援センター
今つらい電話相談(本文の番号)
出典:国立精神・神経医療研究センター/厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」「まもろうよ こころ」
  • 職場の産業医・保健師
  • かかりつけ医(内科でもかまいません)
  • 精神科・心療内科
  • 保健所、精神保健福祉センター

電話で相談することもできます2021。

  • こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(お住まいの地域の公的な相談窓口につながります)
  • 働く人の「こころの耳電話相談」0120-565-455(平日17時〜22時、土日10時〜16時)

ほかの相談窓口は、厚生労働省の「まもろうよ こころ」にまとまっています。

体の休み方は、休むことも、からだづくりにまとめています。