休養には「休む」と「養う」がある
国は、休養を2つの面からとらえています。疲れを取る「休む」と、明日への力を「養う」です。ただ寝転んでいるだけでは「真の休養」にならない、とも書いています1。
大切なのは、頭が仕事から離れているか
仕事のあとに、こころを回復させる体験は、4つに分けられます2。
こころを回復させる4つの体験休む時間の長さより、中身
| 体験 | ひとことで | 50代の例 |
|---|---|---|
| 頭を離す | 仕事を考えない | 連絡を見ない時間を決める |
| くつろぐ | 体と気持ちをゆるめる | ぬるめの風呂・散歩・音楽 |
| 挑む | 別のことに打ち込む | 楽器・料理・山歩き |
| 自分で決める | 時間の使い方を選ぶ | 休日の予定を自分で組む |
疲れが強いときは、まず「くつろぐ」から。
- 頭を離す:仕事のことを考えない時間をもつ。
- くつろぐ:体と気持ちをゆるめる。
- 挑む:仕事とは別の、少し難しいことに取り組む。
- 自分で決める:休みの時間の使い方を、自分で決める。
なかでも、頭が仕事から離れている人ほど、疲れが少なく、よく眠れ、生活の満足度が高い傾向がありました34。休みの日数が同じでも、頭が離れているかどうかで、休まり方が変わります。
疲れが強いときは、まず「くつろぐ」から始めましょう。「挑む」は、少し元気が戻ってからで十分です。
休日のメールが、頭を仕事に引き戻す
仕事の時間の外に、仕事のメールや連絡を見ている人ほど、頭が仕事から離れにくい傾向があります35。仕事が忙しいときほど、頭は離れにくくなります36。
- 仕事の連絡を見ない時間を決める。
- スマホの仕事用の通知を、夜と休日は切っておく。
といった方法を、試してみてもよいでしょう。
ぐるぐる考え続けると、体も休まらない
同じことを何度も考え続けたり、心配し続けたりすると、体は「ストレスの最中」の状態に長くとどまります。血圧や心拍が上がりやすくなることがわかっています78。寝る前の考え事は、寝つきや眠りの質にも影響します9。
寝る前に、明日やることを紙に書き出して、「今日はここまで」と区切る方法もあります。眠りについては、50歳からの睡眠もご覧ください。
お酒で紛らわすのは、かえって眠りを浅くします。お酒は「杯」でなく「グラム」で数えるもご覧ください。
長い休みより、こまめな回復
長い休暇は、こころによく効きます。けれども、その効果は、仕事に戻ると数週間で薄れることがわかっています10。
だから、年に一度の長い休みだけに頼らず、ふだんの夜、週末、そして仕事中の小休止で、こまめに回復することが大切です。仕事中の10分以内の短い休憩でも、元気が出て、疲れが軽くなるという結果があります11。
緑の多い場所で過ごすと、ストレスの指標が下がる傾向も報告されています。ただし、研究の多くは少人数・短時間の実験です1213。
50代は、こころの休みが取りにくい
50代は、こころを休めにくい条件が重なりやすい年代です。
- 親の介護:働きながら家族を介護している人は、50代に多くいます14。介護をしている人は、していない人より、気分の落ち込みやストレスが強い傾向があります15。自分が休む時間を、介護とは別に確保しましょう。介護の相談は、地域包括支援センターにできます。
- 更年期:男女とも、更年期の不調を感じる年代です16。気分の落ち込み、イライラ、眠れないといった症状は、更年期の影響のこともあります。
- 役割の変化:役職の変化、子どもの独立など、役割が変わる時期でもあります。
人と会うことも、こころの回復を助けます。「おでかけ」が、頭と体を守るもご覧ください。
職場のストレスチェックの結果は、休み方を見直すきっかけになります。会社の産業医や保健師にも相談できます17。
休んでも回復しないときは
休んだのに休まらない。見直す? 相談する?右の列が続くなら、早めに相談を
| 休み方を見直す | 相談する |
|---|---|
| 休日もメールが気になる | 気分の落ち込みが2週間以上続く |
| 寝る前に仕事を思い出す | 何をしても楽しめない |
| 飲まないと眠れない | 食事・眠り・仕事に差し支える |
休み方を変えても回復しないときは、休み方の問題ではないかもしれません。
- 気分の落ち込みや、何をしても楽しめない状態が、2週間以上続く1819
- 眠れない日が続き、休日に休んでも回復しない
- 食欲がない、疲れやすい、集中できず仕事や家事に差し支える
- お酒の量が増えた、飲まないと眠れない
- 周りから「元気がない」「様子が違う」と言われる
こうしたときは、早めに相談してください。うつ病のことがあります。自分で判断せずに、専門家に相談しましょう19。
相談先
一人で抱えない ― 相談先の地図困りごとに合わせて
| 困りごと | 相談先 |
|---|---|
| 職場のこと・働き方 | 産業医・保健師・上司 |
| 体とこころの両方 | かかりつけ医 |
| 気分の落ち込みが続く | 精神科・心療内科 |
| 親の介護 | 地域包括支援センター |
| 今つらい | 電話相談(本文の番号) |
- 職場の産業医・保健師
- かかりつけ医(内科でもかまいません)
- 精神科・心療内科
- 保健所、精神保健福祉センター
- こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(お住まいの地域の公的な相談窓口につながります)
- 働く人の「こころの耳電話相談」0120-565-455(平日17時〜22時、土日10時〜16時)
ほかの相談窓口は、厚生労働省の「まもろうよ こころ」にまとまっています。
体の休み方は、休むことも、からだづくりにまとめています。