気づくのは、本人より周りの人
睡眠時無呼吸は、眠っている間のことなので、本人はなかなか気づけません。次のようなサインがあります12。
- 大きないびき。家族が見た「息が止まっている」
- 息苦しさや、あえぐような感じで目が覚める
- 朝起きたときの頭痛、ぐっすり眠った感じがしない
- 昼間の強い眠気、会議や電車での居眠り
- 薬を飲んでも下がりにくい高血圧
昼の眠気は、「疲れのせい」「年のせい」と思い込みがちです。太っていることが大きな原因ですが、やせていても、あごが小さい、首が短いといった顔や首の形で起こることがあります1。
重さは「1時間に何回止まるか」で決まる
呼吸が止まったり弱くなったりする回数が、1時間あたり何回あるか。これをAHI(無呼吸低呼吸指数)といい、重さの目安になります1。
「1時間に何回止まるか」で重さが決まるAHI=1時間あたりの、呼吸が止まる・弱くなる回数
| AHI | 重さ | 主な治療 |
|---|---|---|
| 5未満 | 正常 | — |
| 5〜14 | 軽症 | 横向き寝・マウスピース・減量 |
| 15〜29 | 中等症 | CPAP(症状と精密検査で)・マウスピース |
| 30以上 | 重症 | CPAP |
減量と、寝る前のお酒を控えることは、どの段階でも。
インターネットの質問票は、検査を受けるかどうかの目安にはなりますが、診断はできません1。診断は検査で行います。
検査は、自宅でできるものから
気づいてから、治療までの道のりまずは自宅でできる検査から
| 段階 | すること |
|---|---|
| 気づく | いびき・息が止まる・昼の眠気・高い血圧 |
| 受診する | 睡眠外来・呼吸器内科・耳鼻科・内科 |
| 簡易検査 | 自宅で一晩、指先と鼻のセンサー |
| 精密検査 | 必要なときに一晩、脳波なども測る |
| 治療を選ぶ | CPAP・マウスピース・減量・横向き寝 |
- 簡易検査:自宅で一晩、指先や鼻にセンサーをつけて眠ります。
- 精密検査(終夜睡眠ポリグラフ):必要なときに、脳波なども含めて一晩かけて詳しく調べます。
受診先は、睡眠外来(いびき外来)、呼吸器内科、耳鼻科、またはかかりつけの内科です3。健診の結果票を持っていきましょう。
治療は、ひとつではない
治療はひとつではない。組み合わせる合う方法を、医師と選ぶ
| 方法 | 向いている人 | 注意 |
|---|---|---|
| CPAP | 中等症以上・眠気が強い | 毎晩4時間以上。やめると戻る |
| マウスピース | 軽症〜中等症・CPAPが合わない | 歯科で作る。かみ合わせを確認 |
| 減量 | 太っている人 | 体重が戻ると戻る |
| 横向きに寝る | 仰向けで悪くなる人 | 効くかは検査で確かめる |
| お酒を控える | すべての人 | 寝酒は特に |
- CPAP(シーパップ):鼻につけたマスクから空気を送り、のどがふさがらないようにします。中等症以上や眠気が強い人の治療の中心です1。毎晩、4時間以上使うと眠気がよくなり、やめると元に戻ります1。
- マウスピース(口腔内装置):下あごを少し前に出して、のどを広げます。軽症〜中等症の人や、CPAPが合わない人に。歯科で作ります1。
- 減量:太っている人は、どの治療とも組み合わせます。体重が減ると、無呼吸は軽くなります14。
- 横向きに寝る:仰向けで悪くなる人は、横向きで軽くなることがあります。効くかどうかは検査で確かめます1。
2026年6月から、CPAPを保険で使える基準が広がりました5。検査の値と症状を見て、医師が判断します。
CPAPで何がよくなるか
CPAPを使うと、いびき、昼の眠気、生活の質、気分がよくなることが、大きな試験で確かめられています6。
一方で、心筋梗塞や脳卒中を防ぐ効果は、その試験でははっきりしませんでした6。CPAPは、まず眠気と毎日の生活を取り戻す治療と考えるのがよいでしょう。
お酒と睡眠薬に気をつける
お酒を飲むと、のどの筋肉がゆるみ、無呼吸が悪くなりやすくなります。お酒を飲む人は、飲まない人より無呼吸になりやすいという解析もあります7。
国の睡眠のガイドは、治療していない睡眠時無呼吸の人は、寝る前の飲酒と、一部の睡眠薬を避けるよう勧めています2。睡眠薬や安定剤を飲んでいる方は、自分でやめずに、いびきを指摘されたことを主治医に伝えてください。
お酒の量については、お酒は「杯」でなく「グラム」で数えるにまとめています。
放っておくと、血圧と運転に響く
無呼吸が重い人ほど、のちに高血圧になっている人が多いことがわかっています8。無呼吸のある運転者は事故が多く、治療を始めたあとは事故が減ったという報告もあります910。
運転中に強い眠気がある方、居眠りしそうになった方は、眠気がよくなるまで運転を控え、早めに受診してください。法律でも、強い眠気が出る睡眠の病気は、運転免許に関わる病気として挙げられています11。仕事で運転する方は、会社の検査の仕組みも使いましょう3。
閉経後の女性も
睡眠時無呼吸は、男性の病気と思われがちです。けれども女性は、閉経後に増えることがわかっています21213。いびきや昼の眠気が気になり始めたら、女性も受診してください。
睡眠全般については、50歳からの睡眠もご覧ください。