人とのつながりが多い人ほど、長生きの傾向

世界の148の研究をまとめた結果、人とのつながりが強い人は、長生きする傾向がありました1。孤立や孤独も、早く亡くなることと関連していました2。

会や集まりに参加している人は、要介護になりにくい傾向

日本の高齢者を何年も追いかけた研究でも、趣味の会やスポーツの会、地域の集まりに参加している人は、要介護になりにくい傾向がありました。参加する会の種類が多いほど、その傾向は強くなっていました3。

認知症についても、人との交流や会への参加が多い人ほど、なりにくい傾向がありました4。

参加する会が多いほど、要介護になりにくい傾向日本の高齢者の追跡調査(JAGES)

参加している会の種類要介護になりにくさ
なし(くらべる基準)
1種類少しなりにくい
2種類なりにくい
3種類以上もっとなりにくい

観察研究なので、「参加が原因」とまでは言えません。

出典:Kanamori S, et al. PLoS One 2014;9:e99638

ひとりで運動するより、仲間と

面白い結果があります。同じように運動していても、ひとりで運動する人より、スポーツの会で運動する人のほうが、要介護になりにくい傾向がありました5。

体を動かすことに、人と会うことが加わると、良いことが重なるのかもしれません。家で続ける筋トレに加えて、月に何回かは、近所の体操の集まりや散歩の会に出かけてみましょう。

外に出る回数も、目安になります

外出が週1回以下の高齢者は、2年後に、歩く力や身の回りのことをする力が落ちている傾向がありました6。人との交流も外出も少ない人は、早く亡くなる危険が高い傾向もありました7。

まずは、週に何回か、用事がなくても外に出ることから始めましょう。

研究の読み方:「関連」と「原因」は違います

ここで紹介した研究は、どれも人々を観察したもので、「おでかけが原因で元気になった」とまでは言えません1。

反対向きのこともあります。体や頭の調子が落ち始めた人が、先に外出や会への参加をやめているのかもしれません。実際に、認知症が出る直前の人を除いて計算し直すと、会への参加との関連は弱まりました4。病気は、症状が出る前から、人を家に閉じ込め始めることがあるのです。

「関連」は、どちら向きかわからない研究を読むときの見方

考えられる向き例
おでかけ → 元気出かけて人と会うから、頭と体が保たれる
元気でない → おでかけが減る調子が落ち始めた人が、先に出かけなくなる
両方どちらの向きも同時に起きている

認知症が出る直前の人を除くと、会への参加との関連は弱まりました。

出典:Saito T, et al. J Epidemiol Community Health 2018;72:7-12

それでも、出かけて人と会うことに、悪いことはほとんどありません。楽しみとして続けられることを選びましょう。

近くの「通いの場」を探してみましょう

国は、住民が集まって体操や趣味、お茶会などをする「通いの場」を、介護予防の柱にしています。全国に16万か所以上ありますが、参加している高齢者は、まだ多くありません8。

町に集まりの場(サロン)を増やした愛知県の町の研究では、よく通った人ほど、頭のはたらきの低下が少ない傾向がありました9。

お住まいの近くの通いの場は、市区町村の窓口や、地域包括支援センターで教えてもらえます。

出かけにくくなったら

膝や腰の痛みで外に出るのがおっくうになった、というときは、痛みそのものを相談しましょう。膝や腰が痛いときの、動き方や脊柱管狭窄症と運動もご覧ください。

聞き返しが増えて人と話すのがおっくうになった、というときは、耳の相談を。くわしくは認知症の「なりやすさ」には、変えられるものがあるをご覧ください。