年をとっても、必要な量は減りません

「年をとったら、肉や魚は控えめに」と思われがちです。けれども、国の基準では、たんぱく質の推奨量は年をとっても減りません1。

  • 50〜64歳:男性 65 g、女性 50 g(1日)
  • 65歳以上:男性 60 g、女性 50 g(1日)

さらに65歳以上では、弱っていく状態(フレイル)を防ぐために、推奨量より多めにとることが勧められています1。

体重から、1日の目安を出してみましょう

元気な高齢者の目安として、海外の専門家グループは体重1 kgあたり1.0〜1.2 gを勧めています2。国の基準も、このくらいの量がフレイルの予防につながる可能性があると書いています1。

体重から出す、たんぱく質の目安元気な高齢者の目安:体重1 kgあたり1.0〜1.2 g(1日)

体重1日の目安1食あたり(3で割ると)
50 kg50〜60 g約17〜20 g
60 kg60〜72 g約20〜24 g
70 kg70〜84 g約23〜28 g
80 kg80〜96 g約27〜32 g

太り気味の人は、標準の体重(身長×身長×22)で計算します。

出典:Bauer J, et al. J Am Med Dir Assoc 2013;14:542-59(PROT-AGE)/厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

体重60 kgの人なら、1日60〜72 gです。太り気味の人は、実際の体重ではなく、身長から見た標準の体重で計算してください3。標準の体重は「身長(m)×身長(m)×22」で出せます。

国の推奨量は「ほとんどの人が不足しない量」、体重から出す目安は「筋肉と体のはたらきを保つための量」です。物差しがやや違うので、両方を見ておくと安心です。

身近な食品に、どれくらい入っている?

身近な食品の、たんぱく質1回分あたりの目安(重さは生・可食部)

食品1回分たんぱく質
鶏むね肉(皮なし)100 g約23 g
さば水煮缶1/2缶(90 g)約19 g
鮭1切れ(80 g)約18 g
ツナ缶1缶(70 g)約12 g
納豆1パック(40 g)約7 g
木綿豆腐1/3丁(100 g)約7 g
牛乳コップ1杯(180 mL)約6 g
卵1個約6 g
プロセスチーズ1切れ(20 g)約5 g
ヨーグルト1個(100 g)約4 g
ごはん茶碗1杯(150 g)約4 g

商品や大きさによって違います。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」から計算(1回分の重さは目安)

ごはん1杯にも、たんぱく質が約4 g入っています。主食も、1日の合計の一部です4。

足りなくなりやすいのは、朝ごはん

日本人のたんぱく質は、夕食に多く、朝食に少なくなりがちです5。夕食はいつもどおりで大丈夫です。朝に1品足すと、1日の量がぐっと増えます。

朝に1品足すと、1日の量が変わる体重60 kgの人の例(目安は1日60〜72 g)

よくある形1品足した形
朝ごはん・みそ汁
約6 g
+納豆・卵
約21 g
昼かけうどん
約5 g
ごはん・焼き鮭
約22 g
夕ごはん・鶏肉・豆腐
約29 g
(同じ)
約29 g
合計約40 g約72 g

夕食はいつもどおり。足りないのは朝と昼です。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」から計算した例

3食に同じ量ずつ分けないと効かない、というわけではありません。まずは1日の合計を目安に近づけることが先です6。

取り入れやすい工夫

  • 朝に1品:卵、納豆、牛乳、ヨーグルト、チーズのどれか1つ。
  • 麺やパンだけの食事に「のせる」:うどんに卵、そばに鶏肉、パンにチーズ。
  • 缶詰を常備する:さばの水煮缶やツナ缶は、調理がいりません。
  • 筋トレをした日は、そのあとの食事で、たんぱく質をしっかりとりましょう。
  • 食が細くなってきた人は、量を増やすより、おかずのたんぱく質の多いものから先に食べましょう。

筋トレと組み合わせて、筋肉になります

たんぱく質を増やすだけで、筋肉が増えるわけではありません。筋トレをしている人がたんぱく質を増やすと、筋肉と力がわずかに余分につく、という結果が出ています78。

また、多ければ多いほどよい、というわけでもありません。ある量を超えると、上乗せの効果は見られなくなります7。

家でできる筋トレは、鍛えるのページと50歳からの筋トレ、週2回からにあります。

腎臓の病気がある人は、主治医に

健康な人では、たんぱく質を多めにとっても腎臓を悪くするという証拠はありません2。

一方で、腎臓の病気がある人は、病気の段階によって、たんぱく質の量を調整する必要があります。控える場合もあれば、筋肉が落ちているときに少しゆるめる場合もあり、どちらにするかは医師が決めます3。

  • 腎臓の病気がある、または健診で腎臓の数値に注意を受けた人は、自分の判断で増やさず、主治医や管理栄養士に相談してください。
  • 健診結果の「eGFR」と「尿たんぱく」を、一度見ておきましょう9。
  • 糖尿病や痛風など、ほかに食事の指示を受けている人は、その指示を優先してください1。

こんなときは受診を

  • 食べる量が落ちて、体重が減ってきた
  • 健診で、eGFRの低下や尿たんぱくを指摘されたままになっている