減らしたいのは「加えた砂糖」と「ジュースの糖」
WHO(世界保健機関)が減らすよう勧めているのは、遊離糖類と呼ばれるものです1。
- 食品や飲み物に加えた砂糖(砂糖、ぶどう糖、果糖など)
- はちみつ、シロップ
- 果汁のジュースの糖(果汁だけのものも含む)
一方、果物そのものや野菜の糖、牛乳の糖は、害が報告されていないので、減らす対象に入っていません1。
わかっている害は、体重・糖尿病・虫歯
「砂糖は毒」と言われることがあります。けれども、研究で強く確かめられているのは、次の3つです。
- 体重が増える:砂糖を増やすと体重が増え、減らすと減ります2。
- 2型糖尿病:甘い飲み物を毎日飲む人ほど、2型糖尿病になりやすい傾向があります。太っているかどうかを考えに入れても、この結びつきは残りました3。日本人の研究でも、甘い飲み物をほぼ毎日飲む人で、糖尿病や脳梗塞が多いという結果があります4。
- 虫歯:砂糖が少ないほど、虫歯は少なくなります5。
同じカロリーのまま、砂糖をほかの炭水化物に置き換えた試験では、体重は変わりませんでした2。太る仕組みの中心は、砂糖の分だけ余分にとるエネルギーです。飲み物は、食べ物より量を意識しにくく、つい上乗せになりがちです。
「砂糖には麻薬のような依存性がある」という話もありますが、人でそれを支える証拠は乏しいとされています6。やめにくいのは、習慣と、手に取りやすさの問題です。
目安は、1日50 g未満。できれば25 gほど
日本の国の基準には、砂糖の量の目標がありません7。そこでこのサイトでは、WHOの目安を使います18。
- 1日50 g未満(1日に2,000 kcalを食べる人の場合)
- できれば、25 gほどまで
砂糖の小さじ1杯が約3 gで、スティックシュガー1本ほどです9。50 gは小さじ17杯ほど、25 gは小さじ8杯ほどになります。
1本・1個に、どれだけ入っているか
1本・1個に、砂糖は小さじ何杯分?WHOの目安は1日50 g未満、できれば25 gほど(小さじ1杯=約3 g)
| 1本・1個 | 糖 | 小さじ |
|---|---|---|
| 缶コーヒー 加糖 185 g | 約15 g* | 5杯 |
| スポーツドリンク 500 mL | 約26 g* | 9杯 |
| 炭酸飲料 500 mL | 46〜65 g | 15〜22杯 |
| オレンジジュース 200 mL | 約16 g | 5杯 |
| りんごジュース 200 mL | 約22 g | 7杯 |
| 野菜ジュース 200 mL | 約6 g | 2杯 |
| メロンパン 1個 | 約21 g | 7杯 |
*は炭水化物の値(上限の目安)。缶コーヒーは牛乳の糖を含みます。商品によって違うので、表示の「炭水化物」を見てください。
- 加糖の缶コーヒー1本で、約15 g。
- スポーツドリンク500 mLで、約26 g。
- 炭酸飲料500 mLで、約46〜65 g。1本で1日の目安を超えます。
- りんごジュース200 mLで、約22 g。
- メロンパン1個で、約21 g10。
商品によって違うので、容器の栄養成分表示の「炭水化物」を見てください。甘い飲み物では、炭水化物のほとんどが糖です。表示が「100 mLあたり」なら、500 mLのペットボトルは5倍します。
飲み物を2本替えるだけで、大きく減る
飲み物を替えるだけで、1日の砂糖は大きく減る働く日の例(砂糖の量)
| とき | ふだん | 置き換え |
|---|---|---|
| 朝 | 缶コーヒー 加糖 15 g | 無糖 0 g |
| 会議 | クッキー2枚 4 g | そのまま 4 g |
| 午後 | スポーツドリンク 26 g | 麦茶 0 g |
| 夕方 | メロンパン 21 g | バナナ 0 g* |
| 夜 | りんごジュース 22 g | りんご 0 g* |
| 料理 | 砂糖 7 g | 7 g |
| 合計 | 約95 g | 約11 g |
*果物そのものの糖は数えません(WHO)。料理の砂糖は国民健康・栄養調査(令和5年)の平均。
よくある働く日の例では、1日に約95 gの砂糖をとっていました。WHOの目安のほぼ2倍です。
缶コーヒーを無糖に、スポーツドリンクを麦茶に、菓子パンをバナナに、ジュースをりんごに替えると、約11 gになります。まず替えるなら、飲み物からです。
果物はそのまま、ジュースは甘い飲み物の側に
果物はそのまま、ジュースは甘い飲み物の側に果物そのものの糖は、WHOが減らす対象に入れていません
| そのまま食べる | 飲む |
|---|---|
| りんご 半分(100 g) 糖 約13 g・数えない | りんごジュース 200 mL 糖 約22 g・数える |
| オレンジ(果物) 数えない | オレンジジュース 200 mL 糖 約16 g・数える |
| 食物繊維も一緒 | 食物繊維はほとんどない |
果物は1日200 g(りんご1個・バナナ2本・みかん2個ほど)が国の勧める量です。
果物には、食物繊維も一緒に入っています。果物をそのまま食べる人では、2型糖尿病が少ない傾向がありました。一方、ジュースを多く飲む人では、多い傾向がありました11。
国は、果物を1日200 g(りんご1個、バナナ2本、みかん2個ほど)とることを勧めています12。果物は控えずに、そのまま食べましょう。ジュースは、甘い飲み物の側に数えます。
野菜だけのジュースは、糖が少なめです(200 mLで約6 g)。ただし、野菜を食べた代わりにはなりません。
甘味料入りに替えれば解決、ではない
WHOは、体重を減らしたり病気を防いだりする手段として、砂糖の代わりの甘味料を使わないよう勧めています13。
甘い飲み物をやめるときに、甘味料入りのものをつなぎにするのは責めません。けれども、ゴールは水、お茶、無糖のコーヒーです。糖尿病で治療中の方は、主治医と相談してください。
大人も、虫歯に気をつける
甘い飲み物を、少しずつ時間をかけて飲むと、歯が糖にさらされる時間が長くなります。大人でも、砂糖が多いほど虫歯が増えます5。デスクで甘い飲み物をちびちび飲む習慣は、歯のためにも見直しましょう。
健診の数字と合わせて
健診で、次の数字を指摘されたら、まず甘い飲み物を書き出してみましょう14。
- 空腹時血糖100 mg/dL以上、またはHbA1c 5.6以上
- 中性脂肪150 mg/dL以上(食後は175以上)
結果票の読み方は、健診の「要再検査」を、引き出しにしまわないにまとめています。
こんなときは、すぐに受診を
甘い飲み物をたくさん飲み続けると、糖尿病が急に悪くなることがあります(清涼飲料水ケトーシス、いわゆるペットボトル症候群)1516。
- のどがひどく渇いて、甘い飲み物をたくさん飲んでしまう
- 尿の量や回数が多い
- 急に体重が減る、だるい、吐き気がする
これらがあれば、飲み物を替えて様子を見るのではなく、すぐに受診してください。