年相応の物忘れと、相談したほうがよい物忘れ
年相応の物忘れと、相談したい物忘れ認知症疾患診療ガイドライン2017から
| 年相応のことが多い | 相談したい | |
|---|---|---|
| 忘れ方 | 体験の一部を忘れる | 体験そのものを忘れる |
| 自覚 | 忘れたことがわかる | 忘れたことに気づかない |
| 日付 | わかる | わからないことがある |
| 暮らし | 困っていない | 家事や支払いに困る |
周りの人が先に気づくこともあります。
大きな違いは、体験の一部を忘れるか、体験そのものを忘れるかです。昨日の夕食のおかずを思い出せないのは、年相応のことが多い物忘れです。夕食を食べたこと自体を覚えていないときは、相談しましょう1。
本人は気づいていなくて、家族や周りの人が先に気づくこともあります1。家族の方は、責めずに、一緒に相談に行きましょう。
治療で良くなる物忘れがあります
物忘れの中には、原因を治療すれば良くなるものがあります1。
- 甲状腺のはたらきの低下
- ビタミンB12の不足
- うつ病
- 正常圧水頭症(頭の中の水の流れが悪くなる病気)
- 慢性硬膜下血腫(頭を打ったあと、ゆっくり血がたまる病気)
- 飲んでいる薬の影響
そのため、診察では、血液検査や、頭のCT・MRIで、こうした原因がないかを確かめます1。
薬の影響が疑われるときも、自分でやめたり減らしたりしないでください。お薬手帳を持って、主治医や薬剤師に相談しましょう。
軽度認知障害(MCI)とは
物忘れなどがあっても、日常の生活は自分でできている状態を、軽度認知障害(MCI)と呼びます。認知症の手前の段階です1。
MCIと言われても、全員が認知症に進むわけではありません。一部の人は、正常に戻ります23。ただし、戻った人も、その後にまた下がることが少なくありません4。「戻ったから終わり」ではなく、様子を見続けることが大切です。
体を動かす、人と会う、聞こえや血圧などを整えることについては、認知症の「なりやすさ」には、変えられるものがあると「おでかけ」が、頭と体を守るをご覧ください。
どこに相談すればよい?
- まずは、かかりつけ医に相談しましょう。
- どこに相談すればよいかわからないときは、地域包括支援センターへ。すべての市区町村にあり、本人や家族の相談にのってくれます5。
- 詳しい検査が必要なときは、かかりつけ医から、認知症疾患医療センターなどを紹介してもらえます6。
こんなときは、早めに受診を
- 同じことを何度も聞く、言う、と周りに言われる
- 最近の出来事そのもの(出かけたこと、会ったこと)を忘れている
- 今日の日付や曜日がわからないことがある
- 慣れた家事や支払い、薬の管理がうまくできなくなってきた
- 怒りっぽくなった、何もする気が起きない
こんなときは、すぐに受診を
- 数日のうちに、急にぼんやりする、話がかみ合わない、日によって様子が大きく変わる
- 頭を打ったあと、数週間から数か月して、物忘れや歩きにくさ、頭痛が出てきた
- 物忘れに加えて、歩き方が小刻みになった、すり足になった、尿が間に合わなくなった